傘寿の贈り物
八十歳の男性へ、装いを贈るという考え方
八十歳のお祝いに、何を贈るか。
男性への贈り物は、女性へのそれよりも難しいと言われます。趣味の品は好みが分かれる。実用品は味気ない。物はもう足りている。そう考えて、決めきれずにいる方は少なくありません。
傘寿という言葉
八十歳の祝いを傘寿(さんじゅ)と呼びます。「傘」の略字「仐」が、八と十を組み合わせた形に見えることに由来します。祝いの色は黄色、または金茶とされています。
言葉に傘の字が入ることから、傘を贈るという発想が生まれます。ただ、男性への贈り物として考えるなら、もう少し視野を広げてもよいかもしれません。
同じように手に持つもので、装いの一部となるもの。ヨーロッパには、その系譜があります。
ステッキは、もともと装身具だった
日本では、杖は歩行を助ける道具として認識されています。けれどヨーロッパでの歴史は、少し違います。
十七世紀、ステッキは紳士の装いの一部となりました。ヴィクトリア朝にはその流行が頂点を迎え、社会的な地位や趣味を示すものとして扱われています。一七〇二年のロンドンでは、公の場でステッキを持つのに許可証が必要だったという記録も残っています。
必要だから持つのではなく、
装いとして持つもの。
ハンドルには象牙や銀が用いられ、神話や動物の意匠が彫り込まれました。ライオン、鷲、馬、犬。それぞれの姿に、持ち主の気質が重ねられています。
近年、この位置づけが見直されつつあります。歩行を支える道具としてではなく、装いを表すものとして。著名人が用いることで、その印象が変わってきたとも言われます。
「まだ早い」と思われないために
杖を贈ることをためらう理由は、はっきりしています。相手に年齢を突きつけてしまうのではないか。まだ必要ないと思われるのではないか。
その懸念は、もっともです。
Pasottiのステッキは、医療用として作られたものではありません。歩行の補助を想定した装身具として仕立てられています。ハンドルには真鍮や樹脂で象られた動物の頭部が据えられ、シャフトには色や模様が入ります。
玄関に立てておくだけでも、その場の景色が変わります。使う日が来るまで、飾っておいてもよい。そういう性格の品です。
贈るときに伝える言葉も、「必要になったら」ではなく「似合うと思って」のほうが自然だと思います。
もうひとつの選択 ── 靴べら
それでもステッキは早い、と感じる場合には、靴べらという選択があります。
靴べらは、年齢を問いません。そして多くの方が、自分では買わないものです。百円のもので用は足りてしまう。だからこそ、贈り物として意味を持ちます。
Pasottiの靴べらは、ステッキと同じ工房で、同じ意匠の系譜のもとに作られています。馬、ライオン、犬、鳥。ハンドルの造形は、ステッキのそれと変わりません。
玄関に立てておけば、毎朝目に入ります。出かけるたびに手に取るものが美しいというのは、日々のなかの小さな贅沢かもしれません。
ステッキを選ぶ
意匠には、それぞれ意味があります。贈るときに一言添えられるものを選ぶと、渡す場面が変わります。
靴べらを選ぶ
玄関に置くものですから、その家の景色に馴染むかどうかも選ぶ基準になります。
贈るまでに
Pasottiの品は、北イタリア・マントヴァの工房で一点ずつ仕立てています。ご注文をいただいてから製作するため、お届けまでに四週間から六週間ほどいただきます。
お祝いの日が決まっている場合は、一か月半ほど前を目安にご検討ください。
すぐにお渡しが必要な場合は、国内在庫からお選びいただくこともできます。
ブランドオリジナルの化粧箱に入れてお届けしますので、そのままお渡しいただけます。
ステッキおよび靴べらは医療用ではありません。歩行の補助を想定した装身具としてお楽しみください。先端には滑り止めのゴムキャップが付属します。